ダライラマ法王講演会(6)
2.
すべての仏陀たちは
自我や五蘊などに関する
様々な概念によって惑わされることなく
常に菩提心を空の本質を持つものとみなしている。
煩悩から悟りへ導く乗り物は、人によって性質が違うので、その人にあったさまざまな乗り物があります。
(1) 人と神のための乗り物
神への信仰により救われる、多くの宗教に共通の乗り物。
(2) 梵天の乗り物
変化に基づく苦しみから解されて、ニュートラルな感情の状態(禅定の第4段階…寂静)になるための世俗の修行道。
(3) 声聞乗
偏在する苦しみから解放されるために、釈尊の教えで悟る小乗仏教者をさす。
(4) 独覚乗
偏在する苦しみから解放されるために、独りで悟る仏教者をさす。
(5) 菩薩乗
偏在する苦しみからの解放されるために、独りで悟るだけではなく、息のできない有情すべてを救う大乗仏教者をさす。
3.
慈悲に潤った心で
努力して瞑想するべきである
慈悲の顕現である仏陀は
常にこの菩提心に瞑想している
煩悩を滅して、菩薩の十智に至っても、まだまだ浄化が完璧でなければ心の迷いが生じて心がかき乱されます。これは所知障という障りで、煩悩を取り去った後の残りカスのようなものだと思ってください。
人は常に主体と客体という二元的なものの見方をします。本当は実在していないものを、あたかも実在しているかのようにとらえています。煩悩障を取り去って、直接体験を通して空を理解することによって、阿羅漢の境地に達しても、対象物を見る主体者の空が実現できていないと二元的なとらえ方から離れることができません。主体と客体の空が完璧に理解できる一切智に至るまで、微細なレベルの障り、所知障というものが残ります。無限的なものからもすべて心が解き放たれた時、ようやく所知障は滅します。